パナソニック インダストリー / 制御機器
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SSR使用上のご注意

安全に関するご注意

  • 仕様範囲を超えて使用しないでください。異常発熱、発煙、発火のおそれがあります。
  • リレー通電中に、充電部に触れないでください。感電の危険があります。
    リレー(端子台、ソケットなどの接続部品を含む)の取り付け、保守、故障の処置を行う場合は、必ず電源を切ってください。
  • 端子の接続につきましては、カタログの端子結線図をご確認のうえ、正しく接続してください。
    端子間を短絡、もしくは誤った接続をされますと予期せぬ誤動作、異常発熱、発火などの原因となるおそれもありますのでご注意ください。

ソリッドステートリレー使用上のご注意

ディレーティング設計について

ディレーティングは、信頼性設計上において必要不可欠なものであり、製品寿命にかかわる重大な要素になります。
本製品の使用条件(使用温度、電流、電圧など)が、絶対最大定格以内での使用においても、高負荷(高温、高湿、高電流、高電圧など)で連続して使用される場合は、信頼性が著しく低下するおそれがありますので、絶対最大定格に対して十分なディレーティングを取り、実機にてご確認のうえご使用ください。
また、用途の如何にかかわらず、人命ならびに財産に多大の影響が予測され、高い安全性が求められる機器に使用されるときは、保護回路や冗長回路などの二重回路を設けて機器の安全性を図ると同時に、安全性テストの実施をお願いいたします。

絶対最大定格を超えるストレス印加について

各端子の電圧・電流値が絶対最大定格を超えた場合、過電圧・過電流により内部素子の劣化が起こります。著しい場合には配線の溶断やシリコンP/N接合部の破壊に至ることもあります。
従って、ご採用に当たっては最大定格値は瞬時といえども超えることのないように設計してください。

フォトトライアックカプラの使用について

本品の使用はトライアックの点弧用に限定し、トライアックがオンする条件で使用してください。

未使用端子について

1)フォトトライアックカプラ

33番端子はリレー内部回路に使用していますので、外部回路を接続しないでください。(6pin)

2)AQ-H

5番端子はゲートと接続しています。
5番端子と6番端子を直接接続しないでください。

端子間の短絡について

リレー通電中に入出力端子間を短絡すると内部ICが破壊することがありますのでご注意ください。

規格以下の負荷を使用される場合

規格以下の負荷を使用される場合、誤動作することがありますのでダミー抵抗を使用してください。

最小負荷電流規格値

タイプ規格値
AQ-G全品種20mA
AQ1全品種50mA
AQ8全品種50mA
AQ-J全品種50mA
AQ-A (AC専用)100mA

入力側のノイズ・サージについて

1)フォトトライアックカプラ、AQ-H

入力端子に逆方向サージ電圧が加わる場合は、入力端子と逆並列にダイオードを接続し、入力端子に逆耐圧以上の逆電圧を印加しないでください。
その代表的な回路例を下記に示します。

<フォトトライアックカプラ(6pin)>

2)SSR

入力側に大きなノイズやサージが印加された場合、誤動作が起こったり、破壊することがあります。このような場合、C、Rなどによるノイズ吸収回路を挿入してください。
その代表的な回路例を下記に示します。

フォトトライアックカプラ、AQ-Hの推奨入力電流値について

各商品の推奨動作条件をご参照お願いいたします。
また、これらの条件はご使用環境の影響を受けますので、その他項目も合わせてご確認お願いいたします。

入力電源のリップルについて

入力側の電源にリップルがある場合は、次のことに注意して使用してください。

1)電流駆動タイプ

①Emin.にてLED電流は「推奨入力電流値について」の値を確保してください。
②Emax.にてLED電流50mA以下にしてください。

2)電圧駆動タイプ

①Emin.にて操作電圧の最小値以上を確保してください。
②Emax.にて操作電圧の最大値以下にしてください。

入力側操作電圧が逆接続された場合

品名入力側操作電圧が逆接続された場合
AQ1AQ-JAQ-A(AC)誤って入力端子を逆接続しても、逆接続防止用ダイオードが組み込まれておりますので、破壊することはありませんが、動作しません。
AQ-HAQ-GAQ8AQ-A(DC)誤って入力端子を逆接続すると破壊するおそれがありますので、操作電圧の極性に十分ご注意ください。(あるいは、逆接続防止のダイオードを接続してください。)

出力側のノイズ・サージについて

1)フォトトライアックカプラ、AQ-H

下図に一般的なトライアック駆動回路を示します。負荷側にノイズやサージが印加されると誤動作が起こったり破壊することがありますので、スナバ回路やバリスタを挿入してください。
その代表的な回路例を下記に示します。

〈フォトトライアックカプラ SOP4,DIP4タイプ〉

〈フォトトライアックカプラ DIP6タイプ〉

〈AQ-H〉

注) 5番(ゲート)端子への外付け抵抗などの接続は不要です。

2)SSR

①AC出力タイプ

負荷側に大きなノイズやサージが印加された場合、誤動作が起こったり破壊することがあります。このような場合、バリスタを挿入してください。

AC出力タイプ

②DC出力タイプ

絶対最大定格を超えるスパイク電圧が発生する誘導性負荷の場合は、負荷に発生するスパイク電圧を制限してください。
その代表的な回路例を下記に示します。

DC出力タイプ

3)クランプダイオードおよびスナバ回路にて負荷から発生するスパイク電圧を制限されましても回路配線が長いと、回路長によるインダクタンスにてスパイク電圧が発生しますので、可能な限り回路配線を短くしインダクタンスを小さくしてください。

4)ソリッドステートリレーオフ時に出力端子間に急峻な立ち上がりの電圧が印加されると、繰り返しピークオフ電圧以下であっても入力の有無とは無関係に出力が導通状態になることがありますので、実機にて充分ご確認ください。

5)電圧と電流の位相が異なる負荷を制御する場合、ターンオフ時に急峻な立ち上がりの電圧が印加され、トライアックがオフしない場合がありますので、実機にて充分ご確認ください。

6)ゼロクロス電圧タイプにて、電圧と電流の位相が異なる負荷を制御する場合、前項に加え入力の状態にかかわらず、トライアックがオンしない場合がありますので、実機にて充分ご確認ください。

洗浄について(プリント基板実装タイプ)

はんだフラックスなどの洗浄は、有機溶剤による浸漬洗浄をおすすめします。やむを得ず超音波洗浄を行われる場合は下記条件内とし、事前に不具合発生の無いことを実使用状態において十分にご確認のうえ、ご採用いただくようお願いします。

  • 周波数  :27~29kHz
  • 超音波出力:0.25W/cm2以下(注)
  • 洗浄時間 :30秒以下
  • 使用溶剤 :アサヒクリンAK-225
  • その他  :プリント配線基板や素子が超音波振動子と直接接触しないよう、溶液中の浮遊した状態で行ってください。

注)超音波洗浄槽の単位面積(底面積)に対する超音波出力をあらわします。

実装時の注意事項(プリント基板実装タイプ)

1)同一基板上に多種多様なパッケージが混在している場合、リード部の温度上昇がパッケージサイズに大きく依存していますので、ソリッドステートリレーの端子はんだ付け部の温度が「はんだ付けについて」の条件以下となる温度条件を設定の上、実機にて事前確認をお願いします。

2)上記推奨条件を超える実装条件の場合、使用樹脂の強度低下や各構成材料の熱膨張係数の不整合が大幅に増大し、パッケージのクラックやボンディングワイヤーの破断などが起こる場合がありますので、その使用可否について当社営業担当までお問い合わせ下さい。

3)リレーへの熱ストレスは基板条件、工程条件によって変わる場合がありますので、必ず実使用基板にてご確認ください。

4)実装条件の変化、はんだの種類によって這い上がり性、ぬれ性、はんだ強度は異なります。実際の生産条件における評価を十分にお願いします。

5)コーティング塗布はリレーが常温に戻った状態で行ってください。

はんだ付けについて

1)サーフェスマウント端子タイプのはんだ付け推奨条件の一例

①IRS法(リフロー)
(推奨条件 リフロー回数:2回以下、測定箇所:端子はんだ付け部)

T1=150~180°C
T2=230°C
T3=240~250°C
t1=60~120秒
t2=30秒以内
t3=10秒以内

②その他表面実装はんだ付け方式
上記以外のはんだ付け方法(VPS、ホットエアー加熱、ホットプレート加熱、レーザー加熱、パルスヒーター加熱など)については、リレーに与える影響が異なりますので、実機にてご確認のうえご使用ください。

③はんだこて法
コテ先温度:350~400°C
はんだこて:30~60W
はんだ時間:3秒以内

2)標準P/C板端子タイプのはんだ付け推奨条件の一例

①DWS方式
(推奨条件 回数:1回、測定箇所:端子はんだ付け部温度*1)

T1=120°C
T2=260°C以内
t1=60秒以内
t2+t3=5秒以内

*1 はんだ温度 260°C以内

②その他浸漬はんだ付け方式(推奨回数:1回)
予備加熱:120°C以下 120秒以下  測定箇所:端子はんだ付け部
はんだ付け:260°C以下 5秒以下※  測定箇所:はんだ温度
※フォトトライアックカプラ、AQ-Hは10秒以下

③はんだこて法
こて先温度:350~400°C
はんだこて:30~60W
はんだ時間:3秒以内

●はんだは合金組成Sn3.0Ag0.5Cuのものを推奨いたします。

その他取り扱いについて

1)発熱体または、別のSSRに近接して取り付ける場合、周囲温度が上昇することがありますので、SSRの配置および通風に対し、ご配慮ください。

2)端子結線は結線図に従い、間違いなく確実に行ってください。

3)実際に使用するに当たっては、信頼性を高めるため、実使用状態での品質確認をお願いします。

4)感電の危険がありますので、メンテナンスの際は電源の供給を遮断して下さい。AQ-A(DC出力タイプ)は入出力端子と裏面アルミ板とが、絶縁される構造となっていますが、UL規格上では、入出力と裏面アルミ板との絶縁が認定されておりません。

輸送と保管について

1)輸送中に極度の振動を与えますと、リードが変形したり、本体が破損したりするおそれがありますので外装箱および内装箱は、丁寧に扱ってください。

2)保管環境が極端に悪い場合、はんだ付け性の低下、外観不良、特性劣化の原因となります。保管場所については、以下の条件を推奨いたします。

  • 温度 :0~45°C
  • 湿度 :70%RH以下
  • 雰囲気:亜硫酸ガスなどの有害物質が無く、埃が少ないこと

3)フォトトライアックカプラ(SOPタイプ)の保管方法について

吸湿した状態ではんだ実装時の熱ストレスを加えると水分が気化、膨張し、パッケージ内部の応力が増大し、パッケージ表面に膨れやクラックなどが起こる場合があります。本品は湿度に敏感であるため防湿密封包装していますが、保管の際には以下の点にご注意ください。

  • 防湿密封包装パック開封後は、速やかにご使用ください。
    (0~45°C 70%RH以下の環境下で30日以内にご使用ください)
  • 防湿密封包装の開封後、長期保管される場合は、シリカゲルを入れた防湿袋などでの防湿包装で保管してください。
    (90日以内にご使用ください。)

結露について

周囲雰囲気が高温多湿下で温度が高温から低温に急変するとき、または低温中から高温多湿中へ急に移したとき、水蒸気が凝縮しリレーに水滴が付着する現象です。結露により水分が付着した場合、絶縁劣化などの不具合の原因になります。結露による不具合は保証いたしかねます。
搭載されている機器の熱引き現象により、結露を促進させることがありますので、実使用状態における最悪条件での評価をお願いします。(特に製品近傍に高発熱体がある場合は注意が必要です。)

包装形態は以下のようになります。

※各図をクリックすると拡大図が開きます。

1)テーピング包装(フォトトライアックカプラ)

該当商品テープ形状および寸法紙テーピングリール形状および寸法
SOP
4pinタイプ

①1, 2 番端子が引き出し方向の場合:品番APT○○○○SX(上図)
②3, 4 番端子が引き出し方向の場合:品番APT○○○○SZ
DIP
4pinタイプ

①1, 2番端子が引き出し方向の場合:品番APT○○○○AX
②3, 4番端子が引き出し方向の場合:品番APT○○○○AZ
DIP
6pinタイプ

①1, 2, 3 番端子が引き出し方向の場合:品番APT○○○○AX
②4, 5, 6 番端子が引き出し方向の場合:品番APT○○○○AZ
DIP
6pinワイド
端子タイプ

①1, 6 番端子が引き出し方向の場合:品番APT○○○○WAY
②3, 4 番端子が引き出し方向の場合:品番APT○○○○WAW

2)テーピング包装(AQ-H)

該当商品テープ形状および寸法紙テーピングリール形状および寸法
8pin SMD
タイプ

①1, 2, 3, 4 番端子が引き出し方向の場合:品番AQH○○○○AX(上図)
②5, 6, 8 番端子が引き出し方向の場合:品番AQH○○○○AZ

3)スティック包装

フォトトライアックカプラ、AQ-Hソリッドステートリレーは下図において、1番端子がストッパーBの方向となるようにスティック包装されております。プリント板実装時リレーの方向性にご注意ください。

〈フォトトライアックカプラSOPタイプ〉

〈フォトトライアックカプラDIPタイプおよびAQ-Hソリッドステートリレー〉

スナバ回路について

dv/dtの低減

SSRの負荷電圧の大きさとしては許容電圧以下であっても、リアクタンス分が大きい誘導負荷の場合は電圧が非常に早く(dv/dtが大きく)なるので、入力の有無とは無関係に出力が導通してしまうことがあります。(L負荷誤点弧)。
当社SSR系列にはスナバ回路を内蔵しています。(AQ-Hを除く)ここでは一般的なスナバ回路の選定について述べます。

スナバ定数の選定

1)C選定

SSR回路におけるCの充電時定数τは①式となります。

τ =(RL+R)×C………①

dv/dt耐量以下になるよう①式を設定すると、

C=0.632VA/((dv/dt)×(RL+R))…②

となります。C=0.1~0.2μFに選定すると、dv/dtは数V~数+V/μs以下に制御できます。コンデンサはMPコンデンサまたは金属化ポリエステルフィルムをご使用ください。100Vラインでは250~400V、200Vラインでは400~600Vのものをご使用ください。

2)Rの選定

R(コンデンサCからの放電電流を制限するもの)がない場合は、SSRのターンオン時に急峻な立ち上がり(dv/dt)でピーク値の高い放電電流が流れます。
そのためSSR内部の素子が破壊することがありますので、必ずRを挿入することが必要です。一般的には100VラインでR=10~100Ω、200VラインでR=20~100Ω程度を挿入します。(ターンオン時の放電電流の許容値は、SSR内部素子により異なります)。Cからの放電電流、充電電流によるRの電力損失Pは、③式のようになりますが、100Vラインでは1/2W、200Vラインでは2W以上のものをご使用ください。

P=
C×VA2×f
2
………③

f=電源周波数

またターンオフ時にCと回路のLでリンギングして、SSR両端にスパイク電圧が発生します。Rはこのリンギングを防止する制動抵抗として効果があります。またRは無誘導抵抗が良く、炭素皮膜か金属皮膜抵抗が多く使用されています。
一般にはC=0.1μF、R=20~100Ωをお奨めします。また誘導負荷では共振する場合がありますのでご注意ください。

放熱設計について

SSRを用いて信頼性の高い機器や装置にするためには、熱的取り扱いには十分ご注意ください。 特に電力損失により、接合部における熱の放熱については、SSRの機能および寿命の点からみて重要となります。
プリント基板実装形SSRの定格通電電流は自然冷却、周囲温度 40°C ※1 のもとで流し得る電流と定められています。従って取り付け場所の周囲温度が 40°C以上になる場合は、通電電流対周囲温度特性にもとづき、通電電流を低減して使用することが必要です。
また、近接する他の部品が熱源となる場合は、近接距離間は 10 mm以上離すことにご留意ください。
5 A以上のSSRの場合は表1の専用放熱器または規定の放熱板を使用してください。 その場合、放熱条件を良くするため熱伝導性コンパウンド (モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン YG6111 または TSK5303 など) などをSSRと放熱板の間へ塗布してください。 SSRの外部放熱板および取り付け方法については、該当商品の「データおよび使用方法」または「使用上のご注意」をご参照ください。

※1: 商品、ご使用条件によって異なる場合がございます。各商品ごとにご確認ください。

表1 専用放熱器

品種専用放熱器負荷電流
AQ1208AQ180210 A
AQ-J (10 A)AQP810※210 A
AQP813
AQP812※2
AQ-J (15 A)AQP810※215 A
AQP813
AQP812※2
AQ-J (25 A)AQP810※220 A
AQP813
AQP812※2
AQP81525 A
AQ-A (15 A)AQP81315 A
AQP812※2
AQ-A (25 A)AQP81425 A
AQP813
AQP812※2
AQ-A(40 A)AQP81330 A
AQP812※2
AQP81440 A
AQP815
AQ-A DC (10 A)AQP812※28 A
AQP81510 A
AQ-A DC (30 A)AQP812※230 A

※2 DINレールに取り付け可能なスリム放熱器

保護回路について

SSRを用いて、高信頼性回路を設計するためには、SSRの特性・限界値などをご理解のうえ、適切な保護素子を組み込んでください。

過電圧保護

SSRの負荷電源には種々の要因で発生する過電圧に対して、その発生要素を知り、対策を取ってください。
過渡電圧に対する素子の保護方法には、次のような方法があります。

1) 逆サージ耐量の保証素子の使用

(コントロールドアバランシェ素子など)

2) 過渡電圧原因の対策

スイッチの開放を変圧器の2次側で行い、遮断速度の遅いスイッチを使用する。

3) 過渡電圧のエネルギー吸収回路の設置

CRサージアブソーバあるいは、バリスタを電源側あるいは、SSRの両端に接続する。
特に、電源投入時、電源開放時などのサージ電圧および外来サージが素子定格電圧の値を超えないようにご注意ください。定格を超えるサージが発生する場合、サージ吸収回路とサージ吸収用素子 (例: ZNRパナソニックインダストリー製) を挿入してください。

ZNRの定格電圧の選択

① 電源電圧のピーク値
② 電源電圧の変動値
③ ZNRの劣化 (1 mA±約10%)
④ ZNRの許容差 (定格電圧の±10%)
たとえば 100 Vラインの場合、
① x ② x ③ x ④ = (100 x √2) x 1.1 x 1.1 x 1.1 = 188 (V) の定格電圧をもつZNRを選択します。

ZNRの製品例(パナソニックインダストリー製)

形式バリスタ電圧最大許容
回路電圧
最大制限電圧最大平均
パルス
電力
エネルギー耐量サージ電流耐量静電容量
(参考値)
(10/1000μs)(2ms)1time(8/20μs)
2time
V1mA (V)ACrms (V)DC (V)V50A (V)(W)(J)(J)(A)(A)@1KHz (pF)
ERZV14D201200 (185~225)1301703400.670506,0005,000770
ERZV14D221220 (198~242)1401803600.678556,0005,000740
ERZV14D241240 (216~264)1502003950.684606,0005,000700
ERZV14D271270 (247~303)1752254550.699706,0005,000640
ERZV14D361360 (324~396)2303005950.6130906,0004,500540
ERZV14D391390 (351~429)2503206500.61401006,0004,500500
ERZV14D431430 (387~473)2753507100.61551106,0004,500450
ERZV14D471470 (423~517)3003857750.61751256,0004,500400
ERZV14D621620 (558~682)3855051,0250.61901365,0004,500330
ERZV14D681680 (612~748)4205601,1200.61901365,0004,500320

D : φ17.5max.
T : 6.5max.
H : 20.5max.
W : 7.5±1
(単位 mm)

過電流保護

SSRを用いた回路に過電流に対する保護が行われない場合、SSRを破壊することがあります。半導体から見た場合、連続通電する過負荷オン電流に対し、定格接合温度を超えないようにSSRの選択および回路設計をしてください。
(例:モータ、白熱電球などの突入電流)
半導体の寿命中に、数十回程度以下の頻度でしか生じない過電流に対しては、サージオン電流定格が適用されます。この定格に対しては、保護協調の器具が必要です。
過電流に対する素子の保護方法には、次のようなものがあります。

1)過電流を抑制する。

限流リアクトルを電源に直列に挿入する。

2)電源を遮断する。

限流ヒューズあるいはブレーカを電源に直列に挿入する。

過電流保護協調のヒューズ選択の実施例

負荷の種類

ヒータ負荷(抵抗負荷)

SSRの最も適した負荷で、ゼロクロス効果によりノイズ発生を大幅に低減することができます。

ランプ負荷

タングステンランプ・ハロゲンランプなどは突入電流が大きく流れます。(ゼロクロス方式SSRで約7~8倍、非ゼロクロス方式で最悪9~12倍程度)この突入電流のピーク値がSSRのサージオン電流値の50%以下になるようSSRを選定してください。

電磁開閉器・ソレノイド負荷

AC駆動電磁開閉器およびソレノイドバルブは、起動時に突入電流が流れます。この突入電流のピーク値がサージオン電流値の50%以下になるようSSRを選定してください。特に小型のソレノイドバルブ、AC駆動リレーについては、漏れ電流によりSSRがOFFとなっても負荷の両端に電圧が残り、負荷が誤動作する場合があります。このような場合、負荷に並列にダミー抵抗を接続してください。

●規格以下の負荷で使用される場合

モータ負荷

電動機の始動時には全負荷電流の5~8倍程度の始動電流の対称交流分に直流分が重畳され、さらに大きくなります。この始動電流が流れる時間、すなわち始動時間は負荷と電源容量の大きさによりそれぞれ異なります。実際の使用状態で始動電流と始動時間を測定し、この始動電流のピーク値がSSRのサージオン電流値の50%以下になるようSSRを選定してください。
なお、電動機負荷を遮断すると電動機の逆起電圧のために電源電圧以上の電圧がSSRに印加されます。誘導電動機の場合には約1.3倍、同期電動機の場合には約2倍の電圧となりますのでご注意ください。

●電動機の正・逆運転制御

正・逆運転時には電動機の逆起電圧のために始動電流と始動時間が単なる始動時に比べ、大幅に過酷な負荷となりますので、この場合も実測してください。
コンデンサ始動形単相誘導電動機の場合には、正・逆制御時にコンデンサの放電電流が生じますので、必ずSSRと直列に抑制抵抗または、限流リアクトルを挿入することが必要です。また、SSR出力両端には、電源電圧の倍電圧が発生するため、SSRの許容電圧に充分注意してください。
なお、可逆制御を行う場合は、正転用SSRと逆転用SSRが同時にONしないように設計してください。

コンデンサ負荷

コンデンサ負荷(例:スイッチングレギュレータなど)にSSRを使用する場合、コンデンサにチャージングする間の突入電流が流れます。この突入電流のピーク値がSSRのサージオン電流値の50%以下になるようSSRを選定ください。また、SSRと直列に接続されているスイッチの開閉時に、1サイクル以下の誤動作をする場合があります。その場合はdv/dt抑制のリアクタンスL(200~500μH)をSSRに直列に挿入してください。

その他、一般電子装置

一般の電子装置には、通常、ラインフィルタが内蔵されています。このラインフィルタのコンデンサにより、主電源スイッチの開閉時にSSRがdv/dtによる誤動作をする場合があります。この場合は、SSRに直列dv/dt抑制用のリアクタンス(200~500μH)を挿入してください。

負荷の突入電流波と時間的関係

(1)白熱電球負荷

(1)白熱電球負荷

突入電流/定格電流=i/io≒10~15倍

(2)水銀灯負荷 i/io≒3倍

(2)水銀灯負荷i/io≒3倍

一般に放電灯回路の場合には、放電管、変圧器、チョークコイル、コンデンサなどが組み合わされており、特に高力率形で電源インピーダンスの低い場合には、20~40倍の突入電流が流れるものもありますので、ご注意ください。

(3)蛍光灯負荷 i/io≒5~10倍

(3)蛍光灯負荷i/io≒5~10倍

(4)モータ負荷 i/io≒5~10倍

(4)モータ負荷i/io≒5~10倍
  • ブラッキング、インチングなどを行うと過渡状態がくり返されるので、条件はよりきびしくなります。
  • DCモータの動作およびブレーキの制御をリレーで行う場合、モータへの負荷がフリー状態とロック状態ではON時の突入電流、定常電流およびオフ時のブレーキ電流が異なります。特に無極リレーで1c接点のb接点側をDCモータのブレーキ用に使用する場合、ブレーキ電流により寿命に影響する事がありますので実負荷での確認をお願いします。

(5)ソレノイド負荷 i/io≒10~20倍

(5)ソレノイド負荷i/io≒10~20倍

インダクタンスが大きいので、遮断時のアーク持続時間が長くなり、接点消耗しやすくなることがありますのでご注意ください。

(6)電磁接触器負荷 i/io≒3~10倍

(6)電磁接触器負荷i/io≒3~10倍

(7)コンデンサ負荷 i/io≒20~40倍

(7)コンデンサ負荷i/io≒20~40倍

SSRの駆動方法の例

リレー接点にて駆動

リレー接点にて駆動

NPNトランジスタにて駆動

NPNトランジスタにて駆動

PNPトランジスタにて駆動

PNPトランジスタにて駆動

TTL、DTL、ICにて駆動

TTL、DTL、ICにて駆動

C-MOS、ICにて駆動

(1)ICの出力が「High」の時動作

C-MOS、ICにて駆動

(2)ICの出力が「Low」の時動作

SSRによる保持器

SSRによる保持器

A端子:ON入力パルス
B端子:OFF入力パルス

自己電源による駆動法

自己電源による駆動法

フォトトライアックカプラ、AQ-Hソリッドステートリレーの駆動方法の例

※フォトトライアックカプラ、AQ-Hは電流駆動タイプです。

NPNトランジスタにて駆動

(1)フォトトライアックカプラ

(1)フォトトライアックカプラ

(2)AQ-Hソリッドステートリレー

(2)AQ-Hソリッドステートリレー

ソリッドステートリレー関連情報