レーザの原理
レーザとは
レーザ(LASER)とは、Light Amplification by Stimulated Emisson of Radiationの頭文字をとったもので、「放射の誘導放出による光の増幅」ことです。
気体分子や固体の中にある電子をエネルギーの高い状態にしておき、そのエネルギーを光として外に放出するときに、光の往復などにより増幅を起こし、極めて純度の高い光(レーザ光)を放出する現象です。
レーザ光の特長として以下の項目が上げられます。
1) | 単色(単一波長)である。 |
2) | 指向性が優れている。 |
3) | エネルギー密度が高い。 |
4) | 干渉性がある(位相が揃っている)。 |
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この項では、レーザ光が出るまでの仕組みを、いくつかの重要なキーワードの解説を交えながらご説明いたします。
レーザ光と一般光の違い
レーザ光が出るまでの流れ
(分かりやすくするため、細かい説明は省きます)
(1) 光が出る仕組み
光とはエネルギー放出の一形態です。
物体に光を当てると物体はエネルギーを蓄積します。
逆に物体から光が放出されるとその物体が蓄積したエネルギーは無くなります。
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原子は、中心にある原子核とその周りを一定の軌道で運動する電子によって成り立っています。
物体=原子には次の様な大原則があります。
- 持っているエネルギーの量で電子の回る軌道が決まる。
- 外側を回っている電子のほうがエネルギーをたくさん持っている。
エネルギーをたくさん持っていると、外側を回ることができるが、通常はエネルギーが最も少ない内側の軌道を回っている電子が多い。
- 電子が回る軌道(円周)は原子の種類によって決まっている。しかも、軌道と軌道の間には電子は存在することができない。
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物体にエネルギーを吸収・放出させる事により光を生み出します。
エネルギーを吸収して、電子は準位の高い所に移る。 |
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この事をポンピングと言います。 |
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電子がエネルギーの高い所から低い所に移ると、光を放出する。 |
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この光がレーザ光の元となります。 |
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(2) 原子を光でポンピングし励起(反転分布)が起こる
「励起」とはポンピングによってエネルギーの低い位置よりも高い位置に電子がたくさんいる状態の事を言います。
エネルギー準位の高い位置に電子がたくさんいる状態(エネルギーをたくさん貯め込んでいる状態)を「反転分布」と言います。
反転分布では、エネルギーの高い位置に電子がたくさんいるので、電子は大量に落ちることができます。
よって、光を大量に放出することが可能です。
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平衡状態図 |
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反転分布図 |
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(CO2の場合、分子がポンピングされる)
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(3) 誘導放出で波長と位相が揃った光が出来る
「光の放出」には2種類あります。
自然放出 |
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電子が自然に落ちて光を発する。 |
誘導放出 |
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光が来ると、同じ波長と位相で光を放出する。 |
光が1つ来ると誘導放出が起き、波長と位相が揃った光が2つになる。
これがレーザ光です。
(4) ミラーで折り返し誘導放出を繰り返す事により出力を高める
誘導放出されたレーザ光を2枚のミラーで折り返す様に反射させます。
反射された光は更なる誘導放出を雪崩(なだれ)式に引き起こし、大量の波長と位相が揃った光が発生します。
この事を増幅と言います。
増幅した光を取り出すと強力なレーザ光になります。
波長とは
レーザ光は波長ごとに分類することができます。
波長が違うことで、同じ対象ワークにレーザ光を照射した際にも吸収率に違いが出るため、印字の見栄えや煙の量に違いが出たり、材質の得意・不得意が出ます。
また、発振器の構造自体が全く違うため、サイズや寿命、消費電力等、仕様の違いも出てきます。
パナソニックでは、CO2波長(10,600nm)のものと、YAG波長(1,060~70nm)のもの、2つの波長のレーザマーカを取り扱っています。
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