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1. 保護構造
■ダストカバー
大きなごみ・埃の侵入防止のためプラスチックケースなどでカバーしたものです。洗浄はできません。
■フラックスタイト
自動はんだ時に、フラックスがリレー内部に浸入しないようにした構造です。ただし、洗浄はできません。
■プラシール
自動はんだ時のフラックスや、洗浄時の洗浄液の浸入を防止した構造です。
接点に有害なガスの侵入が少ない仕様です。
■カプセルシール
セラミックと金属板による密封構造です。接点に有害なガスの侵入や湿気の浸入はありません。ただし、洗浄はできません。
構造と特徴
名称 | 構造 | 特徴 | 自動はんだ | 自動洗浄 | ごみ・埃の 侵入 | 悪性ガスの 侵入 |
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ダストカバー | | ケースとベース(またはボディ)を嵌合させたもので最も基本的な構造。 | △ | × | △ | × |
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フラックスタイト | | 端子部はシールまたは同時成形とし、ケースとベースの嵌合部をプリント板面より高くしたもの。 | ○ | × | △ | × |
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| 端子部およびケース、ベースにシール樹脂を充墳したもの。ただし、密封構造にはなっていません。 | ○ | × | △ | × |
プラシール | | 端子部およびケース、ベースをシール樹脂によってシールし、密封構造としたもの。 | ○ | ○ | ○ | ○※ |
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カプセルシール | | 金属ケース・板および端子とセラミックをろう付けによりシールし、密封構造としたもの。 | × | × | ○ | ○ |
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※ プラスチックの呼吸作用がありますので、シリコーン雰囲気でのご使用はおさけください。
2. 動作機能
■ シングルスティブル型
コイル励磁でオン、無励磁でオフとなるリレーです。
■ 1巻線ラッチング型
パルス入力でもオン、またはオフの状態を保持できるラッチング構造のリレーです。一つのコイルで、正・負両極性の信号を加えることにより、動作(セット)復帰(リセット)を行います。
■ 2巻線ラッチング型
セットコイルとリセットコイルの2つのコイルからなるラッチング構造のリレーです。同一極性のパルスを交互に加えることにより動作復帰を行います。キープリレーも同じ機能です。
■ 動作表示付
動作、復帰状態を電気的あるいは機械的に表示し、メンテナンスを容易にしたものです(SFリレースリムタイプLED表示付などがあります)。
3. 端子形状
分類 | プリント板端子 | 自立端子 | プラグイン端子 | タブ端子 | ねじ端子 |
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代表的なリレー | | | | | |
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端子形状 | | | | | |
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代表品種 | GQリレー TXリレー DSリレー | TQリレー | SPリレー HEリレー | LFリレー | HEリレー EPリレー |
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取り付け方法
分類 | プリント板 取り付け | ソケット 取り付け | 端子台 取り付け | TM型 | TMP型 |
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取り付け形状 | | | | | |
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代表品種 | GQリレー TXリレー DSリレー | NCリレー | SPリレー | EPリレー | LFリレー |
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注)プリント板端子リレーでも品種によりソケットがあります。(Sリレー、STリレーなど)
4. コイル定格
■コイル定格電圧
リレーを通常使用するために操作コイルに加える基準となる電圧です。開閉寿命などの保証は、コイル定格電圧にて行っています。
■感動電圧(セット電圧)
復帰状態のリレー操作入力を増加させ、リレーが動作状態になる時の電圧です。ラッチングリレーの場合はリセット状態からセット状態へ動作する時の電圧をセット電圧といいます。
■開放電圧(リセット電圧)
動作状態のリレー操作入力を減少させ、リレーが復帰状態になる時の電圧です。ラッチングリレーの場合はリセットコイルへの操作入力の増加(1巻線ラッチング型の場合は逆極性の操作入力の増加)により、リセット状態に戻る時の電圧をリセット電圧といいます。
なお、感動電圧(セット電圧)や開放電圧(リセット電圧)は通常20°Cの温度条件で規定されますが、リレーにより25°Cのものもありますのでカタログ表記値をご確認ください。
■定格励磁電流
操作コイルにコイル定格電圧を印加した時に流れる電流値のことです。
■コイル抵抗
DC型リレーの操作コイルの直流抵抗値であり、カタログに表記された温度条件での値です。
(通常20°Cの値で示しますが、品種により異なる場合もありますのでご注意ください。)
■定格消費電力
操作コイルにコイル定格電圧を印加した時に消費される電力です。
(定格消費電力=コイル定格電圧×定格励磁電流)
■最大印加電圧
操作コイルに印加できる電圧許容範囲の最大値です。ただし、連続許容値ではありません。周囲温度により異なりますので品種によりカタログ表記値をご確認ください。
コイルの表示
黒塗りのコイルは通電状態を示します。ラッチングリレーの場合、結線図は一般的にリセット状態で表示されますので、コイル記号もリセットコイルが通電された状態で表示されます。(国外向け商品は逆の場合もありますのでご注意ください。)
シングルスティブル型 | 1巻線ラッチング型 | 2巻線ラッチング型 |
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無極 | 有極 | 4端子 | 3端子 |
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5. 接点定格
■接点構成
接点回路の接触機構や接点数をいいます。
接点記号
a接点(常開接点) | b接点(常閉接点) | c接点(切換接点) |
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| | |
- a接点はNO接点あるいはメイク接点ともいいます。
- b接点はNC接点あるいはブレイク接点ともいいます。
- c接点は切替接点あるいはトランスファ接点ともいいます。
MBB接点
b接点(常閉接点)が開路する前にa接点(常開接点)が閉路する接点機構でメイク・ビフォア・ブレイク接点の略語です。
■接点接触抵抗
接点同士の接触する接点接触抵抗と端子や接触ばねの導体抵抗の合成抵抗をいいます。接触抵抗の測定は下図の電圧降下法にて行います。なお、測定電流は下表の通り規定されています。(JIS C 5442による。)
試験電流
定格接点電流 または開閉電流(A) | 試験電流(mA) |
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0.01未満 | 1 |
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0.01以上0.1未満 | 10 |
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0.1以上1未満 | 100 |
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1以上 | 1,000 |
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接点容量1A以上のリレーでは、⼀般に6V DC 1Aの電圧降下法で測定します。
■接点材質
リレー接点に使用される材質のことです。
■接点容量
リレー開閉部の性能を定める基準となる値であり、接点電圧と接点電流の組み合わせで表現します。
■接点最大許容電力
実用上支障無く開閉できる負荷容量の最大値です。DCの場合はWで、ACの場合はVAで表示されます。ご使用時にはこの値を超えないようにしてください。
■接点最大許容電圧
接点開閉電圧の最大値をいいます。ご使用時にはこの値を超えないようにしてください。
■接点最大許容電流
接点開閉電流の最大値です。ご使用時にはこの値を超えないようにしてください。
接点通電電流
接点を閉じたまま、リレー接点の端子と他の各部の温度上昇限度を超えること無く連続して開閉部に通電できる電流です。
■最小適用負荷
微小負荷レベルにおける開閉可能な下限の目安となる値です。この値は開閉頻度、環境条件、要求される接触抵抗の変化、絶対値により信頼性水準が異なります。アナログ微小負荷制御をご要望の場合、AgPd接点のリレーを使用してください。ご使用に際し当社営業担当までお問い合わせされることをおすすめします。
6. 電気的性能
■絶縁抵抗
接点、コイル間や導電部端子と(鉄芯枠、鉄芯のような)非充電金属部間、あるいは接点相互間の絶縁された部分の抵抗のことです。この値はリレー単体における値であり、基板のランドなどは含みません。
コイル - 接点間 | コイル端子と接点全端子間 |
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異極接点相互間 | 異極接点端子相互間 |
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同極接点間 | 同極接点端子相互間 |
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セットコイル・リセットコイル間 | セットコイル端子とリセットコイル端子間 |
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■耐電圧
絶縁抵抗測定箇所と同じ箇所に高電圧を1分間印加した際、絶縁破壊の起こらない限界値です。検出リーク電流は通常10mAです。ただし特殊な場合、1mA、3mAとする場合もあります。
■耐サージ電圧
落雷あるいは誘導性負荷開閉時に発生する瞬時的異常電圧に対する耐久性を示す限界値のことです。サージ波形は JEC-212-1981 による 1.2 x 50 μs の標準衝撃電圧波形で表します。
■動作時間(セット時間)
リレーの操作コイルにコイル定格電圧を加えた時点から、a接点が接触するまでの時間です。接点バウンス時間は含みません。ラッチングリレーの場合はリセット状態において、セットコイルに定格電圧を加えてからa接点が接触するまでの時間をセット時間といいます。
■復帰時間(リセット時間)
リレーの操作コイルよりコイル定格電圧を取り除いた時点からb接点が接触するまでの時間です。接点バウンス時間は含みません。ラッチングリレーの場合はセット状態に於いてリセットコイルに定格電圧を加えてからb接点が接触するまでの時間をいいます。またa接点のみのリレーの場合(1a、2a)は接点が開くまでの時間をいいます。
■接点バウンス(時間)
リレーの動作時および復帰時に可動鉄⽚の衝突や接点相互の衝突によって⽣じる接点の間⽋開閉現象を接点バウンスといい、⼀般に時間 (ms) で表します。
7. 機械的性能
■耐衝撃性
耐衝撃性は、誤動作衝撃と耐久衝撃に分かれ、それぞれ次の意味を表します。
1)誤動作衝撃
使用中における衝撃によって閉路された接点が、規定された時間以上開離しない、または開路した接点が規定された時間以上閉路しない範囲の衝撃をいいます。なお、接点開離時間は、10μs以下と規定します。
2)耐久衝撃
輸送中または使用中における衝撃によって各部の損傷が無く、動作特性を満足する範囲の衝撃をいいます。ただし、試験は6方向に各3回、計18回加えて行われます。
■耐振性
耐振性は、誤動作振動と耐久振動に分かれ、それぞれ次の意味を表します。
1)誤動作振動
使用中における振動によって閉路された接点が、規定された時間以上開離しない、または開路した接点が規定された時間以上閉路しない範囲の振動をいいます。ただし、接点開離時間の値は誤動作衝撃に準じます。
2)耐久振動
輸送中または使用中における振動によって各部の損傷が無く、動作特性を満足する範囲の振動をいいます。ただし、試験は3軸方向各2時間、計6時間加えて行います。
8. 開閉寿命
■機械的寿命
リレーの接点には通電せず操作コイルにはコイル定格電圧を加えて規定の機械的最大操作頻度で動作させた時の寿命のことです。
■電気的寿命
接点には定格負荷を接続し操作コイルにはコイル定格電圧を印加して規定の最大操作頻度で開閉した時の寿命のことです。
9. 参考データ
■開閉容量の最大値
接点最大許容電力、接点最大許容電圧、および接点最大許容電流の相互関係を接点容量の最大値として品種によりデータ欄に記載しています。この図から接点電流や接点電圧を求めることができます。
例えば接点電圧の決まっている場合、縦軸の電圧値と接点最大許容電力の交点から接点電流の最大値を求めることができます。
■開閉寿命曲線
リレーの種類によりデータ欄に開閉寿命曲線を記載しています。接点電圧、接点電流から寿命回数を推定できます。
例えば、接点電圧=125V AC、接点電流=0.6Aの場合、寿命は30万回です。なお、これは抵抗負荷の場合ですのでご使用に際しましては実負荷条件にて十分ご確認ください。
10. 高周波特性
■V. S. W. R. (定在波比)
入力信号と反射(波)信号の干渉によって発生する高周波の共振を表します。表現は波形の最大値と最小値の比で表します。反射波の無いときは1であり、1より大きくなります。
■インサーション・ロス
高周波帯域では、自己誘導、抵抗、誘電体ロスによる信号妨害、また回路上インピーダンスのマッチングの不適合による反射により、信号妨害があります。このような妨害により、信号がロスすることをインサーションロスといいます。すなわち入力した信号が途中でどれだけ失うかの程度であり、絶対値が小さい程、良いリレーです。
■アイソレーション
接点が離れていても高周波信号は接点間の浮遊容量を通して漏れて流れます。この漏れがアイソレーションです。漏れた信号の大きさを表わす記号としてdB(デシベル)を使います。入力した記号の大きさに対し、漏れて発生した信号の比の対数で表し、絶対値が大きいほど良いといえます。
機器設計の際は、『最新の商品仕様書』にてご確認願います。
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