パナソニック インダストリー / 制御機器
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プリント基板実装上の注意事項(サーフェスマウント端子)

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サーフェスマウント端子リレーをプリント板に実装する際、誤まった条件で実施すると、機能を損なうというトラブルが発生することがあります。
そこで、注意点を以下に述べますので、実際の使用状態に照らし合わせながら、トラブル防止の参考にしてください。
なお、当社安全リレーにはサーフェスマウント端子リレーはございません。

1. サーフェスマウント端子リレーとは

■ IMTからSMTへ

PC板への部品実装技術は、挿入実装技術 (IMT) から、表面実装技術 (SMT) へと変化しています。
抵抗、IC、ダイオードなど従来の表面実装用部品は機械動作がない固体であるため、表面実装時の高熱に耐えることができます。
これに対しリレーは、電磁石部とバネ部、接点部が組み合わされた機構部品であるため、表面実装時の高熱に弱く、プラスチックパーツの熱変形や動作特性・形状が変化することがありました。
しかし、当社ではIRSやVPSなどの本格的な表面実装に対応できる高性能リレーを実現しています。

挿入実装技術と表面実装技術

挿入実装技術
Insertion Mounting
Technology: IMT
PC板に端子穴を設けて、そこに部品の端子を通し、部品の反対側の面で端子とPC板上のランドとを、はんだ付けする。
(フローソルダリング)
挿入実装技術
表面実装技術
Surface Mounting
Technology: SMT
部品をPC板上の所定位置に装着してから、炉で加熱し、あらかじめPC板のランド上に塗布しておいたクリームはんだを溶融させ、はんだ付けする。
(リフローソルダリング)
表面実装技術

■ 特長と効果

特長効果
高密度実装可能
両面実装可能
セラミックプリント基板使用可能
装置の小型化
ロボット等の高速自動実装可能
プリント基板の穴あけ不要
高密度実装による小型化
トータルコストダウン
高耐熱性
アウトガス対策
高信頼性

サーフェスマウント端子リレーは、

  • 高耐熱シール工法
  • アウトガス分析
  • 信頼性評価技術
  • 高耐熱材料の精密成型技術

などの技術により、優れた特長を実現しています。

■ 表面実装方法の例

代表的な表面実装方法を紹介します。

1. IRS (赤外線リフローソルダリング法)

表面実装方法として、最も普及している方式です。シーズヒーターや赤外線ランプを熱源とし、予熱部・本加熱部・冷却部より構成されるトンネル炉内の搬送コンベア上で、連続的にリフローはんだする方式です。

2. VPS (ベーパーフェイズ法)

特殊な不活性液体 (フロリナートFC-70など) を加熱して蒸気層をつくり、その蒸気中にPC板を搬入し表面に飽和蒸気を凝縮させます。そのとき放出される気化潜熱を利用し、リフローはんだする方式です。

3. ベルトコンベア式リフロー炉法

耐熱性のある薄いベルト上で、PC板を搬送しながら、下方からホットプレートによって加熱し、リフローはんだする方式です。

4. DWS (ダブルウェーブソルダリング法)

PC板に部品を接着剤で固定し、部品面を下にして熔融はんだ噴流中を通過させ、はんだ付けする方式です。

5.その他

レーザー法、ホットエアー法、パルスヒーター法などがあります。

2. 実装上の注意事項

■ クリームはんだ塗布

  • プリント基板の実装パッド寸法は、はんだ付け性、絶縁性などを考慮し、実装時のバラツキを吸収できるようにする必要があります。各商品の寸法図「プリント基板推奨加工図」を参考にしてください。
  • クリームはんだの塗布は、スクリーン印刷による方法と、ディスペンサ吐出による方法の2通りがあります。どちらの方法においてもクリームはんだが適度な厚さ、形状であり、ぬれ性・絶縁性が良好であることが大切です。

[スクリーン印刷方式]

[ディスペンサ吐出方式]

■ リレーの装着

  • チップ部品のように小型・軽量 (約100 mg以下) の部品は多少位置ずれしても、セルフ・アライメント効果が期待できますが、リレーなどの機構部品ではこれを望めませんので、リレーとランドの位置合わせは慎重に行ってください。
  • 実装機のツメの保持力があまりに大きいと内部に支障が生じ、リレーの性能が保証できなくなることがあります。
  • 自動実装が可能なスティック包装を採用しております。なお、テーピング包装も受注可能ですので、当社営業担当までお問い合せください。

TQリレー (サーフェスマウント端子) の例

[保持力]
A方向 9.8 N以下 {1 kgf以下}
B方向 9.8 N以下 {1 kgf以下}
C方向 9.8 N以下 {1 kgf以下}

■ リフロー

  • 高耐熱性を実現したサーフェスマウント端子リレーを使用しても、誤ったはんだ付け条件でリフローを実施すると、リレーの性能が保証されないばかりか、破裂する場合がありますので、十分ご注意ください。
  • はんだ付けの熱によりリレーや他の部品を劣化させないよう、ただちに冷却してください。
  • サーフェスマウント端子リレーは、洗浄ができますが、はんだ後ただちに洗浄液などの冷たい液にじゃぶづけすることはおさけください。

[サーフェスマウント端子リレーのはんだ付け推奨条件の一例]

  • 1.IRS法

*温度プロファイルは、プリント基板表面の端子はんだ付け部の温度を示します。 場合によっては、雰囲気温度が極端に高くなることがあります。実装条件での確認をお願いいたします。

  • 2.はんだコテ法
はんだごて30~60 W
こて先温度350°C
はんだ時間約3秒以内
  • 3.その他

上記以外のはんだ付け方法 (ホットエアー加熱、ホットプレート加熱、レーザー加熱、パルスヒータ加熱など) については、実装条件を確認の上使用してください。

  • 注)実装条件の変化、はんだの種類によって這い上がり性、ぬれ性、はんだ強度は異なります。実際の生産条件にて評価してください。

■ 冷却・洗浄

  • 密封型リレー (プラシールリレー) は洗浄ができますが、はんだ後ただちに洗浄液などの冷たい液にじゃぶづけすることはおさけください。密封性を損なうことがあります。
  • サーフェスマウント端子リレーは密封型のため丸洗い洗浄が可能です。洗浄液はアルコール系もしくは純水を使用してください。
  • 洗浄はボイリング洗浄をおすすめします (洗浄液の温度は40°C以下にしてください) 。リレーの特性に悪影響を与えますので超音波洗浄は行わないでください。超音波洗浄をすると、超音波エネルギーにより、コイル断線や接点の軽いスティッキングの原因となります。

機器設計の際は『最新の商品仕様書』にてご確認願います。

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