表1
注)DSパワー、TQ、Sリレーなどは極性の関係上適用できません。
※ STリレーはセットコイルとリセットコイルを分離した絶縁抵抗の高い構造になっています。
■セット・リセット時の最小パルス幅
ラッチング型リレーをセットまたはリセットさせるためには、 各商品のセット時間またはリセット時間の5倍以上を目安に矩形波の定格電圧を印加するようにし、 さらに動作確認を行ってください。なお、セット(リセット)時間の5倍以上のパルス幅を取れない場合は、 当社営業担当までお問い合わせください。
また、コンデンサ駆動については、当社営業担当までお問い合わせください。
■2巻線ラッチング型リレーの誘起電圧
2巻線ラッチング型リレーの各コイルは、同一鉄芯上にセットコイルとリセットコイルを巻いてあります。 従って、各コイルに電圧を印加および遮断した際に逆側コイルに誘起電圧が発生します。 誘起電圧は、リレー定格電圧程度ですが、トランジスタ駆動の場合、逆バイアス電圧にご注意ください。
5.スティック包装の取り扱い
リレーの中には品種により、スティック包装されたものがあります。 このスティック包装の取り扱いにおいて、スティック内に端数のリレーが残っている際には、 リレーががたつかないように片側のストッパーを押し込んでください。
スティック内の隙間でリレーががたつくと、リレーの外観・特性上で支障をきたすおそれがあります。 十分にご注意ください。
6.使用条件について
■周囲温度、雰囲気について
- ご使⽤場所の周囲温度はカタログ値を超えないように注意してください。
- 周囲に塵埃、硫化ガス(SO2、 H2S)や有機ガスの少ない常温常湿の雰囲気中での使⽤をおすすめします。ご使⽤場所の周囲雰囲気の悪い場合はプラシール(密封型)リレーをご検討ください。
- リレー複数個を接続する場合や、他の機器からのもらい熱がある場合は、放熱が不十分となり、リレーの使用周囲温度を超えてしまう場合がありますので、実機にて温度確認のうえ、熱的に余裕を持たせた回路設計をお願いいたします。
■シリコーン雰囲気について
リレー・⾼周波デバイスの周囲にシリコーン系物質(シリコーンゴム、シリコーンオイル、シリコーン系コーティング剤、シリコーン充填剤など)を使⽤するとシリコーンガス(低分⼦シロキサンなど)が発⽣し、プラスチックの透過性によりシリコーンガスが製品内に浸入します。このような雰囲気下でリレーを使⽤・保管すると、シリコーン化合物が接点に付着して接触不良になることがありますのでシリコーンガスを発⽣させるものはリレー(プラシールリレーも)近傍で使⽤しないでください。
■NOxの発生について
湿度の高い雰囲気中においてアークの発生しやすい負荷を開閉すると、 アークによって生成されたNOxと外部から吸収された水分によって硝酸が発生し、 内部の金属部分が腐食して動作に支障をきたす場合があります。
周囲湿度が85%RH以上(20°Cでの値)での使用はしないでください。 やむを得ずこのような雰囲気で使用される場合は当社営業担当までお問い合わせください。
■振動、衝撃
リレーとマグネットスイッチを並べて一枚のプレートに取り付けた場合など マグネットスイッチの動作時の衝撃によって、瞬間的にリレー接点が開離し、誤動作を起こす場合があります。 別々のプレートに分けた取り付けや、ゴムシートを用いた緩衝など、 衝撃のかかる方向を直角方向に変えるための対策をしてください。
また、常時振動がリレーに印加される場合(電車など)、ソケットとの組み合わせで使用しないでください。 リレー端子に直接はんだ付けすることをおすすめします。
■外部磁界の影響
リレーの周囲に大型リレーやトランス・スピーカのマグネット、永久磁石などが配置されるときは、 リレーの特性が変化したり、誤動作を起こす場合があります。 それらは、磁界の強さにより左右されますので実際の取り付け位置でご確認ください。
■使用周囲・輸送・保管条件について
使用・保管・輸送時は直射日光を避け、常温・常湿・常圧に保ってください。
使用、輸送、保管可能な温・湿度範囲、気圧は下記の通りです。
1)温度:リレーにより異なりますので個別仕様をご確認ください。
なお、スティック・テープ包装状態で輸送・保管される場合、 リレー本体の温度範囲とは異なる場合がありますので性能概要をご確認ください。
2)湿度:5~85% RH
注) なお、温度により湿度範囲が異なりますので、 図に示す湿度範囲でお願いします。
(許容温度はリレーにより異なります。)
3)気圧:86~106 kPa
4)結露について
結露とは周囲雰囲気が高温多湿下で温度が高温から低温に急変するとき、 または低温中から高温多湿中へ急に移したとき、水蒸気が凝縮しリレーに水滴が付着する現象をいい、 絶縁劣化、コイル断線、さびなどの不具合の原因となります。結露による不具合は保証いたしかねます。
搭載されている機器の熱引き現象は製品内部の冷却を加速し、結露を促進するので、 実使用状態における最悪条件で評価してください。 (特に製品周囲に高発熱体がある場合はご注意ください。また、製品内部の結露も含みます。)
5)氷結について
0°C以下の低温では氷結にご注意ください。 氷結とは結露や異常に多湿の雰囲気でリレーに水分が付着した状態で温度が氷点以下になったとき 水分が凍り付くことをいい、可動部の固着や動作遅延または接点間に氷が介在し、 接点導通に支障をきたすなどの不具合の原因となります。氷結による不具合は保証いたしかねます。
搭載されている機器の熱引き現象は製品内部の冷却を加速し、氷結を促進するので、 実使用状態における最悪条件で評価してください。
6)低温・低湿雰囲気について
低温・低湿中に長時間さらされると、プラスチックの強度が低下することがあります。
7)高温・多湿雰囲気について
高温・多湿や有機ガス・硫化ガス雰囲気中に長時間保管(輸送期間含む)すると、 接点表面に硫化被膜や酸化被膜が生成し、接触不安定や接点障害や機能障害を発生させることがあります。 保管・輸送の雰囲気をご確認ください。
8)包装形態について
包装形態は、湿度、有機ガス、硫化ガスなどの影響を極力小さくするようにしてください。
9)保管⽅法について(シグナル、高周波)
サーフェスマウント端⼦のリレーは湿度に敏感であるため、防湿密封包装をしておりますが、保管の際には以下の点にご注意ください。
- 防湿密封包装パック開封後は速やかに使⽤してください。(30°C/70% RH以下の環境下で72時間以内にご使⽤ください。)
開封後の状態にてそのまま放置しますとリレーが吸湿し、リフロー実装時には熱ストレスにてケースが膨張し、気密性を損なう可能性があります。
※REリレーは開封後24時間以内 - 防湿密封包装パック開封後、72時間以内にご使⽤にならない場合は、温度、湿度が管理できるデシケーターやシリカゲルを⼊れた防湿袋などで保管してください。
注)吸湿した状態で、はんだ実装時に熱ストレスを加えるとクラック・リーク不良などが起こる場合がありますので、実装条件をご確認ください。
※REリレーは開封後24時間以内 - 湿度インジケータ/シリカゲル同梱品は以下の場合、はんだ付け実装前にベーク(乾燥)処理を実施し、ご使用ください。
(シグナル)
・ 1. に規定の保管条件を超過した場合。
・ 防湿密封包装パック開封直後、同梱されている湿度インジケータカードを確認し判定基準表 Ⅲ、Ⅳの場合。
<ベーク(乾燥)処理要否 判定基準>
湿度インジケータカードの各スポットの色で、ベーク処理要否をご判断ください。
判定基準表 ●:茶色 ○:茶色以外(青色系)
| 5% | 10% | 60% | ベーク処理要否判定 |
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I | ● | ● | ● | 不要 |
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II | ○ | ● | ● | 不要 |
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III | ○ | ○ | ● | 必要 |
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IV | ○ | ○ | ○ | 必要 |
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<ベーク(乾燥)処理条件>
・リール状態:45°C 96時間以上
・リール無し状態(リレー単品含む):60°C 35時間以上
4. 防湿密封包装パックに注意ラベルを貼り付けております。
※REリレーのみ
■輸送時の振動・衝撃・圧力
リレーを取り付けた装置などを輸送される場合、強い振動・衝撃や⼤きな荷重がリレーに加わりますと機能障害を発⽣させることがありますので、振動・衝撃が許容範囲内になるように緩衝など包装形態の配慮をお願いします。
7.密封型リレーの注意事項
リレーにはプラシールなど密封型のリレーがあります。これらのタイプは耐環境性に優れているのはもちろんですが、⾃動はんだや洗浄などプリント板実装時のトラブルに対しても効果があります。
以下密封型リレーの特⻑や使⽤上の注意事項をご確認いただき、使⽤に際し、トラブルの無いようご検討ください。
■使用環境について
プラシールリレーは、特別な気密性を要求されるような環境には不向きです。通常平地ではまったく問題ありませんが 96±10 kPa 以外の気圧のもとでは使⽤をおさけください。また、引⽕性、爆発性ガスの雰囲気では使⽤をおさけください。
■洗浄について
密封型リレー(プラシールリレー)は洗浄ができますが、 はんだ後ただちに洗浄液などの冷たい液にじゃぶづけすることはおさけください。 密封性を損なうことがあります。
サーフェスマウント端子のリレーは密封型のため丸洗い洗浄が可能です。 洗浄液はアルコール系もしくは純水を使用してください。
洗浄はボイリング洗浄をおすすめします(洗浄液の温度は40°C以下にしてください)。 リレーの特性に悪影響を与えますので超音波洗浄は行なわないでください。 超音波洗浄をすると、超音波エネルギーにより、コイル断線や接点の軽いスティッキングの原因となります。
8.リレーの取り付けに関する注意事項