基本情報

特長
1999年、当社は世界で初めてレーザマーカにファイバ発振器を採用したFAYbレーザマーカLP-Fシリーズを発売して以降、約20年にわたり、ファイバレーザマーカのリーディングメーカとして様々なラインナップを販売して参りました。
ファイバ発振方式はYAGやYVO4方式と比べレーザダイオードの寿命が長く、消費電力が低いエコロジーなレーザ発振方式として認知されていますが、一方、レーザのショートパルス化が難しいという課題がありました。
LP-RVは3ユニット構造を採用することで、ファイバ発振方式でありながらパルス幅1nsのショートパルス化を実現。
表現力/アプリケーション対応力の圧倒的な向上に貢献します。
パルス発振ファイバレーザーマーカー(FAYbレーザ)
FAYbレーザとは?
「FAYbレーザ」とは、マスタオシレータから発振した微弱なレーザ光がYb(イッテルビウム)という元素を添加したファイバ内を通過することで増幅され、強いレーザ光を出力する画期的な方式です。
長寿命で高い信頼性
LDには高い信頼性と耐久性を誇るInGaAs(インジウムガリウムヒ素)を採用。さらにLDは印字中にのみ点灯するため、熱負荷が少なく、極めて長い寿命を実現します。
高効率で省エネルギー
イッテルビウム添加のファイバ内でレーザを増幅するため、約50%の光-光変換効率を実現。
ヘッド小型化
YVO4などの固体レーザと異なり、増幅部分を発振器内に収めることができ、ヘッドの小型化による設備の小型化に貢献します。
ショートパルスレーザ
当社独自の技術により、ファイバ方式でありながらパルス幅1nsのショートパルスを実現。
表現力が圧倒的に向上しました。
熱影響が少ないワークへの熱影響が少ないショートパルスレーザは熱による焦げや変色、変形を抑えることができます。ICや薄物金属等の熱影響を抑えたいデバイスや、樹脂の発色印字等に最適なレーザーマーカーとしてお使いいただけます。 | ![]() |
高繰り返しパルス発振LP-RVはショートパルスのレーザを高繰り返し発振が可能なので、より高速にレーザ光を走査させても、右図のように、レーザ照射のドット間が離れることなく印字・加工が可能です。これにより、レーザ印字・加工タクトの短縮や品質向上に貢献します。 | ![]() |
極小文字印字ショートパルスレーザはワークへレーザ照射した際の熱の拡がりを抑えることができるため、より細い線分での印字が可能です。 | ![]() |
設置がしやすい
3ユニット分離構造
万が一のトラブルの際には、トラブルの内容に応じて必要な個所のみ取り外して載せ替えが可能な3ユニット分離構造を採用。ダウンタイムの短縮に貢献します。
※ ユニット取り外しの際には、弊社技術サービス部門へご連絡ください。
設定が簡単
Laser Marker NAVI smart
パソコンやタブレットを使用して、文字列やロゴ、2次元コードなどを思いのままに設定が可能です。また、画面レイアウトをお使いの環境に合わせてカスタマイズでき、"設定する人"、"作業する人"など、使用者の目的に合わせて表示を変更することができます。
【スマート条件設定機能】
レーザパワーやスキャンスピード、パルス周波数など印字条件設定のノウハウをワンタッチ機能に集約。14種類に及ぶ材質のイメージから希望の印字状態をワンタッチで実現します。
オープンネットワーク接続(オプション)
レーザーマーカー通信ユニット※を利用すれば、レーザーマーカーにEtherNet/IPやPROFINETへ接続し、印字内容やレーザ設定などをオープンネットワーク経由で設定が可能です。
※オプション
LP-ANW10:EtherNet/IP
LP-ANW11:PROFINET
画像処理機ダイレクト連携
自動位置補正印字&読み取り確認

画像処理機PV230とのダイレクト連携機能を搭載。ラフに設置されたワークの位置を読み取り、レーザ照射位置を補正しレーザ印字、さらに印字したQRコードなどの情報が正しく印字されたか照合までの一連の流れをPLCレスで実現します。
|
|
| |||||||||
豊かな印字表現
LP-RVのショートパルスレーザは樹脂発色印字を始め、様々な材質で印字品質、印字速度が向上しています。
ここでは印字条件の設定値を参考で紹介します。
※各設定条件は参考値です。素材の表面状態等により印字状態は異なります。
※ 記載のレーザ設定に対し、下地処理・文字・二次元コードの印字条件に補正値を設定している場合があります。設定値詳細に関しましては、弊社へお問い合わせください。


スキャンスピード:1,000mm/s
パルス幅:4ns
パルス周期:9μs
印字タクト:0.9秒
|
|
| |||||||||
|
|
| |||||||||
|
|
| |||||||||
|
|
| |||||||||
|
|
| |||||||||
用途
小型電子部品

銘板

樹脂成形品

金メッキ剥離

ICパッケージ

照光スイッチ

金属部品

クリーニング加工

仕様
型式名 | LP-RV200P | |
---|---|---|
印字レーザ | レーザ種類 | Yb:ファイバレーザ 波長:1,064nm クラス4 レーザ |
発振器平均出力 | 20W | |
加工点平均出力(注1) | 17W(±5%) | |
レーザ発振方式 | パルス発振 | |
パルス幅 | 1ns、4ns、8ns、16ns、30ns、120ns、200ns(7段階切り替え) | |
パルス周期(注2) | 0.5μs ~500μs | |
ガイドレーザ・ポインタ | 赤色半導体レーザ 波長:655nm クラス2 レーザ、 最大出力: 1mW 以下 | |
スキャニング方式 | ガルバノスキャニング方式 | |
ビーム遮へい装置 | シャッタ(ヘッド内部に搭載) | |
印字範囲(X, Y)(注3) | 90mm × 90mm | |
ワーク間距離(注3) | 190mm | |
印字ワーク状態 | 静止体、移動体 | |
スキャンスピード(注4、注5) | 最大12,000mm/s | |
移動体ラインスピード(注4) | 最大240m/min. | |
ファイル登録数 | 10,000 ファイル | |
印字データ数(オブジェクト登録数) | 2,000個/ファイル | |
印字オブジェクト 種類 | 文字 | 英大文字、英小文字、数字、記号、ユーザ登録文字(50種まで設定可能) 日本語:カタカナ、ひらがな、漢字(JIS 第一水準、JIS 第二水準) 簡体中国語:GB 2312 第1級、第2級 |
バーコード | CODE39、CODE93、CODE128(GS1-128)、ITF、NW-7、EAN/UPC/JAN、GS1 DataBar Limited、GS1 DataBar Stacked、GS1 DataBar Limited CC-A、GS1 DataBar Stacked CC-A | |
2次元コード | QRコード、マイクロQRコード、iQRコード、データマトリックス、GS1データマトリックス、PDF417 | |
図形データ(注6) | VEC、DXF、HPGL、BMP、JPEG、AI、EPS | |
TrueType | Laser Marker NAVI smartをインストールしたPC内のTrueTypeフォント(注7) | |
加工用データ | 定点 | |
文字高さ・幅(注4) | 0.1mm ~90mm(0.001mm間隔で設定) | |
入出力ポート | I/O端子台(40ピン)、I/Oコネクタ(40ピン) | |
通信インタフェース | EIA-RS-232C、Ethernet、EtherNet/IP(注8)、PROFINET(注8) | |
専用ソフトウェア | Laser Marker NAVI smart、ロゴデータ編集ソフト、ExportVec、フォントメーカソフト | |
専用ソフトウェア対応OS(注9) | Windows® 11 Pro( 64ビット)/ Windows® 10 Pro( 32ビット、64ビット) | |
Laser Marker NAVI smart 接続方法 | USB、Ethernet | |
Laser Marker NAVI smart 表示言語 | 日本語、英語、簡体中国語、繁体中国語、ドイツ語、韓国語 | |
システム起動所要時間 | 約10秒 | |
レーザ励起所要時間 | 約1秒 | |
電源電圧(注10) | 180V AC - 264V AC(電源電圧変動±10%含む)、 周波数 50/60Hz | |
消費電力(消費電流)(注11) | 310VA以下(2.1A以下) | |
冷却方式 | ヘッド:自然空冷、コントローラ・発振器ユニット:強制空冷 | |
使用周囲温度(注12、注13) | 0℃~+40℃ | |
保存周囲温度(注13) | -10℃~+60℃ | |
使用周囲湿度(注13) | 35 ~85%RH | |
ヘッド部保護構造(注14) | IP64 | |
適合規制および認証 | FDA規則、中国GB 7247.1規格、CEマーキング[機械指令(組込宣言)、EMC指令、RoHS指令]、UKCAマーキング[機械規則(組込宣言)、EMC規制、RoHS規則] | |
ファイバケーブル長 | 2.0m±0.2m、最小曲げ半径80mm | |
本体質量 | ヘッド | 約8kg |
発振器ユニット | 約13kg | |
コントローラ | 約28kg |
(注1):レーザパワー100、パルス幅4ns、パルス周期1.6μsの設定での、加工点における出力です。(出荷時)
(注2):パルス周期の設定範囲はパルス幅に依存して変動します。
(注3):製品ごとに約±0.5mm の個体差があります。
(注4):ここに示す値は入力可能な設定範囲です。印字や加工の品質を保つことのできる設定値は、印字条件や対象材質によって異なります。
(注5):設定データ内容によっては、使用可能なスキャンスピードの上限が制限される場合があります。
(注6):VEC は、レーザマーカ専用の図形ファイル形式です。AI、EPS形式の図形ファイルを使用する場合は、専用ソフトウェア「ExportVEC」にて、事前にVEC 形式への変換が必要です。
(注7):文字の種類によっては、レーザマーカでは使用できない場合があります。右横書き文字(アラビア文字、ヘブライ文字など)および合字を用いた文字(インド系文字など)は、レーザマーカでは使用できません。
(注8):通信にはオプション品を別途ご準備ください。
LP-ANW10:EtherNet/IP、 LP-ANW11:PROFINET
(注9):Microsoft社によるサポートが終了したOSバージョンについては、対応OSから除外させていただきます。
(注10):周波数は自動切り替えです。
(注11):起動時の突入電流(代表値)は以下のとおりです。
(流れる時間は10ms以下)220V AC 時:60A
(注12):レーザパワー設定値46以上の場合:0℃~+36℃、レーザパワー設定値46未満の場合:0℃~+40℃
(注13):コントローラ、ヘッド、発振器ユニット共通。結露および氷結なきこと。結露を防ぐために、保管場所と使用場所に温度差がある場合は、機器温度を周囲温度に徐々に馴染ませてください。
(注14):発振器ユニットおよびコントローラ部は保護構造ではありません。ヘッド部の保護構造は、ファイバユニット、レーザ出射口保護ガラス、各種ケーブル、ケーブルコネクタカバーが正しく装着された状態でのみ性能を発揮します。
PROFINETは、PROFIBUS and PROFINET International の登録商標です。
EtherNet/IPは、ODVA(Open DeviceNet Vendor Association Inc.)の登録商標です。
Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
注意
■レーザ光について
- 本製品は、JIS規格のクラス4レーザに相当します。レーザの直射光や、その反射光を見たり触れたりしないように注意し、規格の内容に適した安全対策をとってください。
- 製品には、下記の内容のラベルが貼付されています。(本Webサイト内の製品写真では、貼付されていません。)
- レーザ光は赤外光ですので、目には見えません。レーザ発振の際には、特にご注意ください。
警告・説明ラベル
■集塵機ご使用のお薦め
- 印字対象物によっては、印字の際、有毒なガスや煙が発生し、人体やレーザマーカに悪影響を及ぼす場合があります。そのような場合には、集塵機をご使用ください。詳しくは、営業担当者までお問い合わせください。
寸法図
単位mm
LP-RV200P
ヘッド
A:レーザ出射口直径(突出部):ø100mm
B:ワーク間距離:190mm
C:印字範囲(X,Y):90mm×90mm
D:レーザポインタ出射口:ø26mm(レンズ部:ø20mm)
E:印字範囲の中心位置
F:フレームグランド用ネジ:M4ネジ、深さ5
G:ヘッド部固定用ネジ穴(10か所*):M6ネジ、深さ6
*:設置時には6か所以上を固定してください。
H:ヘッド部位置決め用ピン穴:穴ø4+0.10、深さ5
ファイバユニット
ファイバユニット取りはずし時
コントローラ
※レーザマーカ本体にAC電源ケーブルは付属されていません。(別売)
発振器ユニット
A:発振器ユニット固定用ネジ穴(底面、正面向かって左側面に各4か所):M5ネジ、深さ6
B:フレームグランド用ネジ:M4ネジ、深さ5