定格ストローク以内でご使用ください
定格ストロークを越えてご使用になった場合、可動鉄芯が運動する際にこじれを生じたり、吸引力の極端な低下や動作時のコイルの温度上昇の増大を招きます。さらには、著しく寿命を短くします。
ソレノイドは、定格ストローク以内でも、可能な限り短いストロークで使用することが有利です。とくに高頻度の開閉を行う場合、あるいは長寿命が要求される用途に使う場合、できるだけ短いストロークでご使用になることをお勧めします。
取付方法
ソレノイドの動作による衝撃は非常に大きく、取付が不完全な場合、使用中取付部にゆるみや、ずれが生じ、思わぬ事故や騒音発生の原因になったりします。取付には、穴に合ったボルトを、ゆるみ止めナットや歯付き座金などを用いて充分に締め付け、固定してください。
(図1参照)
衝撃による振動を嫌う用途には、ソレノイドと取付面との間にゴムシートなどの緩衝材をはさんで取付板と共締めすると、かなりの効果が得られます。この場合取付面との共振による騒音も軽減できますが、直接取付ける時と比較して多少コイルの温度上昇が高くなります。また、吸引時には、可動鉄芯が必ず固定鉄芯に密着するように取付けてください。
(図2参照)
完全に閉じない場合は、大きな電流が流れコイルが焼損することがあります。
負荷との連結は
可動鉄芯と負荷との連結の際には、下記の点にご注意ください。
- 負荷はできるだけ可動鉄芯の中心軸上に働くようにし、可動鉄芯には横方向および斜め方向の力が加わらないようにしてください。
もし、可動鉄芯に横または斜め方向の力が加わりますと、可動鉄芯の動作にこじれが生じ、寿命を短くしたり、動作後大きな騒音を発することがあります。 - 動作状態において、可動鉄芯が必ず固定鉄芯と完全に面接触するようにしてください。(前項の取付方法をご参照ください。)
- プル型および両用型の場合、負荷連結穴に合ったピンを使用してください。
径の小さいもの、あるいはボルトなどを使用しますと、ピンや穴の摩擦によって、連結部にガタツキが生じ、寿命を短くします。 - プッシュ型の場合、圧縮面に当たる部分は、できるだけ面積を広くしてご使用ください。
コイル焼損保護方法
ACソレノイドの励磁電流は、可動鉄芯の位置によって大きく変わります。(各機種ごとの特性図をご参照ください。)
このため負荷の増大、研磨面への異物の介在などで、可動鉄芯が吸引されずに電圧が印加されますと、コイルを焼損することがあります。
これを保護するためには、過電流保護継電器をご使用になることをお勧めします。
この場合、動作時間が約20~30秒位になるような定格のものをご使用ください。