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1.使用上のご注意
1.スイッチ本体の固定について
- スイッチ本体の固定は、平滑面に下表に示した大きさの小ねじを用いて、規定の締め付けトルクで締めつけてください。
ご使用のネジの種類(ネジ頭径等)やワッシャーの径およびワッシャーご使用の有無によっては、スイッチ樹脂部を変形させるおそれがありますので、実使用状態での締め付け評価をお願いします。またネジのゆるみ防止の為、接着剤によるロックをおすすめします。その際、接着剤がスイッチ内部に入らないようにご注意ください。
| ネジ | 締め付けトルク |
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J型スイッチ | M1.2 | 0.098N・m以下 |
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M2.3 | 0.29N・m以下 |
M3.0 | 0.29N・m以下 |
S型スイッチ | M2.3 | 0.29N・m以下 |
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V型スイッチ | M3.0 | 0.49N・m以下 |
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- ピン固定タイプ
スイッチ本体の固定は取付けピンの熱カシメまたは圧入にて実施ください。
圧入固定の場合は取付けピンの反対面にガイドを設置し、抜けおよびガタツキを防止ください。 - 取付状態において、各端子とアース間の絶縁距離が十分確保されているかお確かめください。
- 作動体は、自由状態で押ボタンまたはアクチュエーターに直接力が加わらないようにし、押ボタンに対し垂直方向に力が加わるようにしてご使用ください。ピン押ボタンタイプの場合、押ボタンに対し、横方向に力が加わると、押ボタンの破損を招く恐れがありますのでご注意ください。
- 動作後の動きの設定は、O.T.の規格値の70%以上を標準として設定してください。
- V型ターコイズおよびJ,S型ターコイズ防浸型の端子・リード線根元部はシール材の盛り上がりやはい上がりが発生する場合がありますので、取付けスペースにご配慮をお願いします。
2.はんだ付作業
- 手はんだの場合
コテ先温度350℃ max にて下記時間で作業を行い、作業中端子部に力が加わらないようにしてください。はんだ付け時の品質低下を防ぐため、温度調節付のはんだコテのご使用をお勧めいたします。
60W を超えるはんだごてをご使用の場合は、ご相談ください。
| 作業時間 |
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J型スイッチ | 3秒以内 |
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S型スイッチ | 3秒以内 |
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V型スイッチ | 5秒以内 |
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- はんだ付後1分以内は、端子部を動かさないようご注意ください。
3.動作特性の変化について
動作特性の規格値の±20%まで変化しても支障がないように考慮してください。
4.使用上のご注意
- 誘導負荷(リレー、ソレノイド、ブザー)の開閉にご使用の場合、アークが原因で起こる接触障害を防止するため、適当な火花消去回路の挿入をおすすめします。
- AC回路で同期が発生すると、信頼性が低下する場合がありますのでご注意ください。
- 低速、高速や衝撃を伴う開閉操作でご使用の場合、負荷容量によっては寿命が著しく低下することがありますのでご相談ください。
- 砂塵・塵埃などが過酷な状態でレバー付きをご使用になりますと、可動部分の動作に支障をきたし、復帰不良を招く恐れがあります。このような場合は、
- スイッチの操作荷重が高い品番を選定するかリーフレバータイプを選定する。
- レバー部分に保護カバーを設ける。
などの配慮をお願いします。
- リーフレバータイプは過大な押し込み(動作限度位置より更に押し込む場合)、高速や衝撃を伴う開閉操作の場合、レバーの切損が生じますのでご注意ください。
5.使用環境について
- 使用周囲温度(湿度)範囲につきましては、スイッチを連続的に動作させることのできる温度(湿度)範囲ですが、温度により湿度範囲が異なりますので、下記に示す湿度範囲でお願いします。また、限界付近での連続使用はおさけください。
- この湿度範囲は耐久性能を保証するものではありません。
6.防塵・防水・耐腐食ガス性について
- ターコイズスイッチ(J型、S型、V型)は押ボタン部およびボディキャップのすきまを弾性材で、端子部をインサート成形で密封しております。このため、ゴミ・ホコリの侵入がなく腐食ガスに対しても有効です。
また、使用雰囲気において水・油などがかかる場合は、端子部をエポキシ樹脂にてモールドしたリード線タイプをおすすめします。
ただし、完全オイルタイトではありませんので、直接油中または水中に浸すような使用はさけてください。 - 水滴が付いた状態での開閉または急激な温度変化は、呼吸作用や結露により水が内部へ侵入する要因となりますのでご注意ください。特に浴室での使用は避けてください。
スイッチの周囲にシリコンガスの発生源(シリコーンゴム、シリコーンオイル、シリコーン系コーティング剤、シリコーン充填剤など)を使用されますとシリコンガス(低分子シロキサンなど)が発生し、プラスチックの透過性によりシリコンガスが製品内に侵入いたします。
このような雰囲気下でスイッチを使用・保管されますと、シリコン化合物が接点に付着して、絶縁化し、接触不良になることがありますので、シリコンガスを発生させるものはスイッチ近傍に使用しないでください。
また、ガソリン・シンナーなど引火性・爆発性ガスが存在する場所での使用は避けてください。
防塵試験
試験条件:防塵型(IP50)…呼び径75μmの標準網ふるいを通過する純タルク粉を試験室の容積1m2当り2kgの割合でスイッチの周囲に連続して浮遊させ、8時間放置する。
防浸試験
試験条件:防浸型(IP67)…水面下1mより深い位置になるようにして30分間水中に放置する。
硫化水素放置試験
試験条件:濃度 3ppm
温度:40℃
湿度:75%RH
7.耐油・耐薬品性について
ゴム・エラストマーは、油・薬品に対して膨潤する性質があり、その種類・量によって膨潤度合いは大きく異なりますので、実際に使用する油または薬品での確認が必要です。
特に、フレオン・クロロセン・トルエンなどの溶剤に対しては、使用できませんのでご注意ください。
8.耐洗浄性について(J型、S型)
スイッチの洗浄は不具合の原因となりますので、洗浄しないでください。洗浄が必要な場合はご相談ください。
9.住宅などの造営物に配線工事をされる場合は、「内線規定」(JEAC8001)に基く配線方法が必要です。
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