2025年11月20日 IIFES2025 パナソニック インダストリー特別ステージ

池澤あやかさんが体験する、
モーションコントローラGM1 構造化プログラミングの世界

IIFES2025では池澤あやかさんにご登壇いただき、特別講演を実施しました。
プログラマーとしてアプリケーション開発に携わる池澤さんが、モーションコントローラGM1の構造化プログラムを実際に体験しながら紹介します。ラダー言語や構造化プログラム、デジタルツインによる検証など、普段のIT開発とは異なる世界に触れた率直な感想と新しい発見が満載。
ご好評を博した当日の模様をぜひご覧ください。

FAは実は距離のある世界だった──異分野エンジニアが見た最初の印象

特別講演の冒頭でまず語られたのは、池澤あやかさん自身にとってのFA(ファクトリーオートメーション)との距離感だった。
現在はIT企業でソフトウェアエンジニアとして働く池澤さんにとって、FAはこれまであまり接点の多くない分野だったという。

「ハードウェアのスタートアップに在籍していた経験もあり、近い世界だと思っていましたが、実際に現場を見学してみると、知らないことが本当に多くて。思っていた以上に距離を感じました」。

ITとFAはいずれもプログラミングを扱う領域だが、その開発環境や文化は大きく異なる。今回のステージは、そうした前提の違いを踏まえながら、異分野のエンジニアがFAの世界に触れたら何が見えるのかを共有する場でもあった。


guestreport01-2

 

GM1を触って分かった「構造化プログラミング」の実像

池澤さんが事前に体験したのは、複数のサーボモータを連動させて制御するプログラムの作成だ。こうした制御は、たとえばロボットアームが複数の軸を同時に動かす動作や、精密加工機で位置やタイミングを正確に合わせる工程など、FAの現場ではごく一般的に用いられている。

池澤さん自身、GM1の開発環境を通じて、FAレベルのモーション制御を一連の流れとして体験するのは初めてだったという。しかし、プログラムの書き方を教わりながら、実機と仮想環境の双方で動作を確認できたことで、業界が違っても全体像を把握しやすかったと振り返る。

「超初心者でしたが、教わりながら書いて、実際に動かしてみるところまで理解できました。業界が違っても、全体の流れを追える設計になっているのは大きなポイントだと思います」。
実機の動作と並行して、画面上の仮想空間でも挙動を確認できる点も印象的。目の前で動く実機とデジタル上のモデルが連動することで、どの処理が実行され、何が起きているのかを直感的に把握しやすかったという。専門外の人でも理解できるよう配慮された設計が、開発全体を支えていた。


guestreport03

 

制御に適したプログラミング言語で使い分けるという選択肢

FA分野で広く使われてきたラダー言語は、回路図に近いグラフィカルな表現が特徴だ。池澤さんは初めて目にした際、実行されている部分が色分けされているなど、「ぱっと見て理解しやすい」と感じたという。
一方で、プログラムが大規模になるにつれて、全体の見通しが悪くなる場面もあると指摘する。
「短いプログラムは分かりやすいですが、長くなると全体を把握しづらく、扱いが難しくなると感じました」。

IT分野では、処理を部品単位に分け、再利用や保守を容易にする「構造化プログラミング」が一般的だ。GM1ではラダー言語に加え、STやSFCなど複数の言語を用途に応じて使い分けることができる。フローチャートで処理の流れを視覚的に示し、その中身をテキストで記述できる点についても、「普段の開発に近い感覚で取り組めた」と振り返る。
さらに、デジタルツインによるシミュレーション環境も印象的だったという。仮想空間上で動作を検証しながら開発を進められるため、ハードウェアとソフトウェアのどこに問題があるのかを切り分けやすい。実機だけでは判断しづらい動作も、画面上で確認できることで安心感につながったと語った。


2025_11_21 13_22 Microsoft Lens(13) (1)

< 包装機の稼働状況をシミュレーション表示するデモ機 >

AI活用しやすく、オープンな開発環境を構築できるGM1

GM1は、FA分野の国際規格であるIEC 61131-3にも高いレベルで準拠している。こうした規格に沿った開発環境で経験を積める点は、特定のメーカーや現場に依存しないスキルを身につけることにつながり、エンジニアのキャリア形成という観点からも重要だ。
さらに近年では、開発の現場自体が大きく変化しつつある。AIを活用した開発が一般化する中で、構造化されたコードは人とAIが協調して開発を進めるうえでも扱いやすいとされている。池澤さんも、「部品ごとに整理されていると共同開発がしやすく、AIの出力もそのまま活かしやすい」と話す。
FAとITという異なる領域をつなぐ共通言語として、構造化プログラミングはすでに一つの現実的な選択肢になりつつある。

講演の最後に、池澤さんは「私が体験した内容を会場内の展示でぜひ実際にみて、構造化プログラミングの良さを実感してもらえたら」と来場者に呼びかけた。
今回の「IIFES2025 パナソニックインダストリー特別ステージ」は、単なる技術紹介にとどまらず、分野の垣根を越えて新たな理解を促すヒントを提示する場となっていた。


2025_11_21 13_19 Microsoft Lens(13)

 

登壇者プロフィール

ikezawa-0229

池澤あやかさん

タレント、ソフトウェアエンジニア

1991年 東京都出身。第6回東宝シンデレラオーディション審査員特別賞受賞。
情報番組をはじめとするTV番組への出演やメディア媒体への寄稿を行う一方、IT企業に勤め、ソフトウェアエンジニアとしてアプリケーションの開発に携わる。

関連商品情報

モーションコントローラ GM1

  • 高速モーション制御 最速周期 500 μs
  • PLCプログラミングの標準化
    - EC61131-3規格準拠、PLCopen 
    - LD/ST/FBD/SFC/IL/CFC 対応
  • 各種ネットワークプロトコルに対応
モーションコントローラGM1